
イスラエルのHailo社が開発したHailo-8は、エッジデバイスで高度なAI推論を実行するために設計された、世界トップクラスの性能を誇るAIプロセッサ(NPU)です。
従来のGPU(NVIDIA Jetsonなど)とは異なる独自のアーキテクチャを採用しており、「圧倒的な低消費電力」と「高い演算能力」を両立させているのが最大の特徴です。
Hailo-8は、最大26TOPS(1秒間に26兆回の演算)という高い処理能力を持ちながら、消費電力はわずか2.5W程度です。
冷却ファンが不要な「ファンレス設計」が可能になり、小型の筐体や密閉された産業用機器、バッテリー駆動のドローンなどに最適です。
一般的なプロセッサ(フォン・ノイマン型)がメモリと演算器の間でデータを頻繁にやり取りするのに対し、Hailo-8はニューラルネットワークの構造自体をハードウェア上にマッピングするような仕組みを取っています。
データの移動による電力ロスや遅延(レイテンシ)を最小限に抑え、リアルタイム性が求められる画像認識などで威力を発揮します。
M.2やPCIeといった標準的なインターフェースで提供されているため、既存のPCやシングルボードコンピュータ(Raspberry Pi 5など)に後付けしてAI性能を劇的に向上させることができます。

このSDKは、単なるドライバの集まりではなく、モデルの変換から実デバイスでの実行、さらには高度なアプリケーションの構築までをカバーするフルスタックな開発環境です。
Hailo-8のAIアクセラレータを活用するための「テンプレート」は、主にTAPPAS (Template Applications and Solutions) というソフトウェアパッケージを通じて提供されています。
これらは、ゼロからアプリケーションを構築する手間を省き、すぐに実用的なAI機能を試せる「雛形(テンプレート)」として設計されています。
TAPPASでは、以下のような「すぐに使える(Out-of-the-box)」テンプレートが提供されています。これらはGStreamerベースのパイプラインとして構築されており、カメラ入力や動画ファイルに対して即座に適用可能です。
| カテゴリ | テンプレート例 | 主な用途 |
| 物体検知 | Object Detection (YOLO等) | 人、車、自転車などの特定とカウント |
| セグメンテーション | Semantic/Instance Segmentation | ピクセル単位での領域分割(自動運転、医療) |
|
姿勢推定 |
Pose Estimation | 人の関節位置の特定(スポーツ分析、防犯) |
| 顔認識 | Face Recognition | 特定人物の識別、顔認証 |
| 車線検出 | Lane Detection | 走行レーンの認識(ADAS/自動運転) |
| 深度推定 | Depth Estimation | 単眼カメラからの距離計測 |
| 文字認識 | LPR (License Plate Recognition) | 車のナンバープレート読み取り |

Hailoは、性能が検証・最適化された100種類以上の学習済みモデルを「Hailo Model Zoo」として公開しています。これらはコンパイル済みのバイナリ(.hefファイル)として提供されており、ダウンロードしてすぐに実行可能です。
物体検知: YOLOv5, YOLOv8, YOLOv10, SSD, EfficientDet など
画像分類: ResNet, MobileNet, EfficientNet など
セグメンテーション: DeepLabV3, FCN, YOLACT など
その他: 姿勢推定(Pose Estimation)、顔認識、車線検出、深度推定など
弊社も展示会出展時に顔認証・物体認証などのデモについては、これらテンプレートを使用して、学習モデル実施していました。
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