CPUボードメーカーである当社ですが、サンパソシリーズの一環で「タイムサーバー」をリリースしました。
タイムサーバーについて、その機能と重要性をご説明してまいります。
近年、工場のスマートファクトリー化やIoTデバイスの普及に伴い、ネットワークに接続される産業用機器が急増しています。その中で、システムの安定稼働やセキュリティの担保に欠かせない存在となっているのが「タイムサーバー」です。
「たかが時計の時刻合わせ」と思われがちですが、産業用途における時刻のズレは、時に重大なシステム障害や損失を引き起こす原因になります。本コラムでは、タイムサーバーの基本機能から、産業用途での重要性、そしてよく混同される「GPS」と「GNSS」の違いについて解説します。

タイムサーバーとは、ネットワーク上の機器(PC、サーバー、PLC、カメラなど)に対して、正確な時刻情報を配るための専用機器(またはサーバー)のことです。一般的には「NTP(Network Time Protocol)」というプロトコルを用いて時刻を同期するため、NTPサーバーとも呼ばれます。
タイムサーバーは、原子時計やGPS/GNSS衛星といった「超高精度な時間源」から時刻を取得し、それを基準としてネットワーク内のあらゆる機器の時計を1文字の狂いもなく同期させます。
民生用のPCであれば、数秒のズレは大きな問題になりません。しかし、工場や社会インフラなどの産業用途では、ミリ秒(1,000分の1秒)単位のズレが致命傷になることがあります。主な理由は以下の3点です。
生産ラインでエラーが発生した際、各機器(制御PC、PLC、監視カメラなど)の時刻がバラバラだと、「何が、どの順番で起きたのか」という正確なタイムラインを追うことができません。時刻が同期されて初めて、エラーの因果関係を正しく解析し、早期復旧が可能になります。
製造業における品質管理や、医療・自動化システムでは、データが「いつ生成されたか」というタイムスタンプが極めて重要です。時刻が狂っていると、検査データや製品のトレーサビリティ(追跡可能性)の証明書としての価値を失ってしまいます。
現代の産業ネットワークでは暗号化通信や電子認証が必須ですが、これらは「有効期限」や「通信時の時刻判定」を厳密に行っています。システムの時刻が数分ズレているだけで、正規の通信が拒否され、システム全体が停止してしまうリスクがあります。
タイムサーバーが正確な時刻を取得する手段として、衛星電波の受信が広く使われています。ここでよく登場する「GPS」と「GNSS」という言葉ですが、正しく違いを理解しているでしょうか?
結論から言うと、「GNSSは総称」であり、「GPSはその中の一つ」です。

| 項目 | GNSS(全地球航法衛星システム) | GPS(全地球測位システム) |
| 定義 | 衛星を使って位置や時刻を特定するシステムの総称 | 米国が開発・運用している特定のシステム |
| 含まれる衛星 |
GPS(米)、GLONASS(露)、Galileo(欧)、 準天頂衛星「みちびき」(日)など |
米国のGPS衛星のみ |
産業用途では「マルチGNSS」対応が主流に
かつては「GPSタイムサーバー」と呼ばれていましたが、米国のGPS衛星だけに依存していると、ビル影による遮蔽や衛星の不具合時に電波を受信できなくなるリスクがあります。
そのため、現在の産業用タイムサーバーは、米国のGPSだけでなく、日本の「みちびき」や欧州の「Galileo」など、複数の衛星システムから電波を受信できる「マルチGNSS対応」が主流となっています。これにより、常に複数の衛星から安定して高精度な時刻情報を取得できるようになり、冗長性(信頼性)が大幅に向上しています。
当社タイムサーバー紹介ページでは「GPS」で説明していますが、一般的になじみの深い言葉として使用しております。実際にはGNSSからのデータ取得であり、「みちびき」からのデータ取得機会が多いようです。
工場やインフラ環境にタイムサーバーを導入する際は、一般的なIT用機器とは異なる基準(セキュリティ、設置の容易さ、信頼性)での選定が必要です。
そこでおすすめしたいのが、国内一貫生産に強みを持つ当社タイムサーバー「GTS_SNP03」です。産業用ネットワークの課題をクリアする、現場目線の設計が特徴です。
・インターネット非接続(ローカル環境)で高いセキュリティを維持
セキュリティの観点から、外部のインターネットに接続できない閉じたローカルネットワークを構築している現場は多いかと思います。「GTS_SNP03」は、外部ネットワークに頼ることなく、GPSモジュールから直接正確な時刻を取得して社内ネットワークに公開できるため、安全かつ確実な時刻同期が可能です。
・衛星不通時も安心の「内部RTC」による継続性
万が一、天候や周囲の環境によって一時的にGPS衛星の電波が受信できなくなった場合でも、製品内部のRTC(リアルタイムクロック)が時刻を継続して刻み続けます。これにより、時刻同期が途切れてシステムにエラーが出るリスクを最小限に抑えます。
・既存システムへラクラク追加導入
標準的なNTPプロトコルに対応しているため、既存のアプリケーションやソフトウェアの設定を大きく変更することなく、スムーズに導入・補正が行えます。また、WiFiでの時刻公開可能ですので、配線などの追加作業も不要です。制御盤内やデスク周りでも「邪魔にならないコンパクトな設計」も、スペースに限りのある現場では大きなメリットになります。
・サンプル貸出
ご購入前にサンプルで動作検証頂けます。GNSS受信できる環境なのか?ローカルエリア内への公開状況を実機で確認頂けます。サンプル貸出については➡ こちら ご確認ください。

産業用ネットワークの「心臓」とも言えるタイムサーバー。スマートファクトリー化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で、すべてのデータの基盤となるのは「正確な共通の時間」です。
システムの信頼性をワンランク高め、トラブルに強い環境を構築するために、コンパクトで信頼性の高い山下システムズの「GTS_SNP03」の導入をご検討の程お願いします。
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(掲載日 2026年7月17日)
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